パナソニック東京汐留ビル 5Fホール
東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル 5Fホール
申し込み受付は終了しました
一般(懇親会参加) | 3,600円 前払い |
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学生(懇親会参加) | 1,800円 前払い |
一般 | 無料 |
学生 | 無料 |
学生の方でクレジットカードをお持ちでない場合は銀行振込も受け付けています |
#申し訳ございません、都合により急遽中止とさせていただきました。(懇親会に登録頂いた方への返金方法については追って連絡させていただきます)
科学にとって重要不可欠なアブダクション・仮説生成は、「人工知能駆動科学」の基礎でもあり、その射程は広い。しかしながら、その研究は他の推論形式である演繹(e.g. 論理学、数学)や帰納(e.g. 統計学、機械学習、科学哲学)に比べて遅れている。仮説の生成も、仮説空間が適切に設定できたとするならば、あとは探索問題といえよう。しかしながら、仮説を表現する言語が豊かであればあるほど、その探索範囲はたちまち巨大化し、手に負えなくなる。対して、これまでの科学の発展を考えれば、脳は仮説生成を効率よく行っていると言える。脳が行うことをそもそも世界に関する仮説生成(限られた知覚と材料からのモデル構築)と考える立場が認知科学でも有力になってきており、脳から学ぶことは多いと期待される。本勉強会では、これまでの仮説生成、あるいはアブダクションの研究に関する人工知能、認知科学、そして神経科学における蓄積を振り返り、今後の具体化に繋げたい。
場 所:パナソニック株式会社
東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル5階 ホール
http://panasonic.co.jp/es/museum/access/
(パナソニック株式会社様のご厚意による会場ご提供)
https://panasonic.co.jp/es/museum/access/pdf/jr.pdf (4階ミュージアムへの案内図)
※ 学生の方は先ず学生枠からお申し込み下さい。学生枠が満席の場合は一般枠からも申し込めます。
時間 | 内容 | 講演者 |
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17:30 | 開場 | |
18:00-18:05 | パナソニック株式会社様よりごあいさつ | |
18:05-18:10 | オープニング | |
18:10-18:50 | アブダクションの認知科学 | 東京電機大学 理工学部 情報システムデザイン学系 准教授 高橋達二 |
18:50-18:55 | スポンサーより | |
18:55-19:35 | アブダクションは具体的に研究しうる〜遮蔽補完の計算論〜 | 東北医科薬科大学 医学部 神経科学教室 准教授 坂本一寛 |
19:35-20:15 | アブダクションとAI | 国立情報学研究所 情報学プリンシプル研究系 教授 / 東京工業大学 情報理工学院 特任教授 井上克巳 |
20:15-20:40 | パネル討論 | |
21:00-22:30 | 近隣で懇親会 |
人工知能による科学への期待も述べられるようになってきた中(e.g. Kitano 2016)、効果的な実装が求められるのは仮説の生成と検証であろう。哲学者・論理学者チャールズ・S・パースは基本的な推論の形式として演繹と帰納の他に仮説生成(アブダクション)を唱え、その形式化の先鞭をつけた。本講演では、まず Douven (SEP) や Schurz によるアブダクションの最近の定義を紹介する。アブダクションという用語は最近では、オリジナルの仮説の生成という意味と、「最良の説明への推論 (IBE: inference to best explanation)」という仮説の検証の意味の二つがある。その後、認知科学における因果関係の推論や説明 (Lombrozo) との関係を述べ、最後に講演者独自の推論、因果推論、強化学習の研究を少し紹介する。
アブダクションとは、暗黙の仮定としての仮設を生み出す思考の型である。仮設は、(1)不完全な情報より得られるものの(2)仮設自体は直接観測できない。しかしながら(3)仮設があると様々な予測が可能となり、また(4)仮設自体は単純で美しいという性質を持つ。けれども、仮設を得るための実装法については、哲学書は、「洞察による」等と述べてあるに過ぎず参考にならない。本講演では、著者らの視覚遮蔽補完の計算論を紹介する。推定・補完された形は(1)不完全な情報より得られるものの(2)補完された形自体は直接観測できないことを考えると、遮蔽補完問題は、アブダクションを具体的に研究する上でよい例題であると言える。これまでの遮蔽補完の計算論は、主に輪郭の局所連続拘束条件に基づくものであり、形全体の対称性に基づく補完が勝る場合を説明できなかった。本計算論は、大脳皮質V4野の性質、球面射影幾何学、パラメータ空間への投票としての神経配線の拡散・収束構造に基づき、(4)単純で美しい(=表現量が少ない)形が好まれるというメタ拘束条件を用いることにより、これまでの計算論の問題を克服することができた。
人工知能においてアブダクションは推論と学習の両面から研究されてきた.アブダクションは,推論においては常識推論の一手法となり,学習では仮説生成の手段を提供し知識発見に利用される.本講演では講演者がこれまで行ってきた研究を中心に,推論と学習の両面からアブダクション研究を紹介し,今後の人工知能研究との関連を述べる.
1990年東京工業大学大学院情報科学専攻修士課程修了。1993年東京大学大学院情報科学専攻博士課程修了。博士(理学)。同年電子技術総合研究所(2001年より産業技術総合研究所)入所。プログラミング言語、ソフトウエア工学の研究に従事。2005年より計算論的神経科学の研究に従事。
1987年3月東京理科大学理学部卒業。1992年東京大学で神経回路による強化学習モデル研究で工学博士取得。同年(株)富士通研究所入社後、概念学習、認知アーキテクチャ、教育ゲーム、将棋プロジェクト等の研究に従事。フレーム問題(人工知能分野では最大の基本問題)を脳の計算機能を参考とした機械学習により解決することを目指している。
東京大学で、ウェブと人工知能、ビジネスモデルの研究を行っています。 ウェブの意味的な処理を人工知能を使って高度化すること、人工知能のブレークスルーをウェブデータを通じて検証することを目指しています。
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人間の脳全体構造における知的情報処理をカバーできる全脳型 AI アーキテクチャを工学的に実現できれば、人間レベル、さらにそれ以上の人工知能が実現可能になります。これは人類社会に対して、莫大な富と利益をもたらすことが予見されます。例えば、検索や広告、自動翻訳や対話技術、自動運転やロボット、そして金融や経済、政治や社会など、幅広い分野に大きな影響を与えるでしょう。
私達は、この目的のためには、神経科学や認知科学等の知見を参考としながら、機能的に分化した脳の各器官をできるだけ単純な機械学習器として解釈し、それら機械学習器を統合したアーキテクチャを構築することが近道であると考えています。
従来において、こうした試みは容易ではないと考えられてきましたが、状況は変わりつつあります。すでに、神経科学分野での知見の蓄積と、計算機速度の向上を背景に、様々な粒度により脳全体の情報処理を再現/理解しようとする動きが欧米を中心に本格化しています。 また Deep Learning などの機械学習技術のブレークスルー、大脳皮質ベイジアンネット仮説などの計算論的神経科学の進展、クラウドなどの計算機環境が充実してきています。
こうした背景を踏まえるならば、全脳型 AI アーキテクチャの開発は世界的に早々に激化してくる可能性さえあります。 そこで私達は、2020年台前半までに最速で本技術を実現できるロードマップを意識しながら、この研究の裾野を広げていく必要があると考えています。 そしてこのためには、情報処理技術だけでなく、ある程度のレベルにおいて神経科学等の関連分野の知見を幅広く理解しながら、情熱をもってこの研究に挑む多くの研究者やエンジニアの参入が必要と考えています。
全脳アーキテクチャ勉強会は、人間のように柔軟汎用な人工知能の実現に興味のある研究者、脳に興味のあるエンジニア、関連分野(神経科学、認知科学等)の研究者間での交流を促進し、全脳アーキテクチャを実現するために発足されました。 2018年6月以降のイベント ⇒ https://wba-meetup.connpass.com 主催:全脳アーキテクチャ・イニシアティブ
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