神奈川県川崎市幸区堀川町72番地34
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マイク係:担当していただきますと、サポータ特権で懇親会割引などメリットがあります。 | 無料 |
懇親会は https://wba-meetup.doorkeeper.jp/events/63475 よりお申し込みください |
私達のNPO法人全脳アーキテクチャ・イニシアティブ(WBAI)は、長期的に「脳全体のアーキテクチャに学び人間のような汎用人工知能を創る(工学)」を掲げる全脳アーキテクチャ・アプローチによるAI研究開発を促進しています。2015年8月に創設されて以来、この目的のために主に人材育成と研究開発促進を中心とした活動を行なってきました。
(※AGI: 汎用人工知能、Artificial General Intelligence)
昨年より、私達の活動状況や今後の方向性を皆様にお伝えする場として、全脳アーキテクチャシンポジウムを開催しており、前回は5月18日に「加速するAI、加速する世界」をテーマに第1回WBAシンポジウムを開催しました。
その後も人工知能分野の技術進展は留まること無く継続しており、機械学習をアーキテクチャ上で組み合わせることで多様な課題に適用することが試みられ、人工知能技術は研究においては徐々に汎用化しつつ、他方で現実世界へ浸透し応用も進んでいます。これと並行して、社会が新たな技術を如何に受容するかに関わる議論も深まりつつあります。
そこで私たちは本年、創設2周年を迎える8月下旬において「 Beneficial AGIへ」をテーマに、第二回目のシンポジウムを開催することとしました。 ここで第一部ではAGIの実現を目指したWBAIの活動状況やAGI開発を脳に学ぶ意義などについて講演及びパネル討論を行います。次の第二部では、本年新設された、WBAI奨励賞、WBAI活動功労賞の授与式を行います。そして第三部では汎用的な知能技術が段階的に社会に浸透するプロセスを想定し、WBAアプローチの利点なども踏まえながら講演及びパネル討論を行います。
日程は8月29日(火曜日)13:00-17:15にラゾーナ川崎東芝ビル@川﨑(神奈川県)での開催となりますので、こちらから参加申し込みおよび詳細の確認をいただき、奮ってご参加下さい。
ニコニコ動画にて生放送します。事前に「タイムシフト予約」をしておくと、講演から1週間閲覧可能になります。
タイムシフト予約URL
※配信環境によって放送が途切れる場合がございます。予めご了承ください。
司会進行:賢木漣
講演者:山川宏(NPO法人WBAI代表/ドワンゴ)
概要:AI技術の進展により、データが大量に得られる状況では、様々な問題解決が実現可能となった。そこで、データが不十分な領域においてもベターな判断や解決策を見出す汎用的な知能や、フロンティア領域において知識を拡大する自律性的能力への興味が高まっている。私達NPO法人WBAIでは、こうした汎用性や自律性をもつ知能を支える認知アーキテクチャとして脳を参考にすることが技術的に有望であると考え様々な事業を行っている。ここでは、全脳アーキテクチャ勉強会、神経科学者向けのAIスクール(NICO2AI)などの人材育成事業や、様々なハッカソンの開催、全脳コネクトームアーキテクチャの開発、ロードマップの作成などの研究開発促進事業のほか、関連組織との連携状況などについても紹介する。
講演者:谷口忠大 (立命館大 )
概要:AGI(Artificial General Intelligence)に注目が集まっている。汎用人工知能とも訳されるが人間の知能はそもそも道具としての知ではなく、主体としての知であり、そのような自律知をいかに構成するかがAGIの真のチャレンジである。人工知能の歴史を振り返っても、人間の知能の進化論的経緯を振り返っても、言語的知能(記号的知能)を身体性に基づき、感覚運動器に接地させながらボトムアップに把握することは重要な問題であり、AGIの中心的な課題であるとも言える。記号創発ロボティクスはこのような問いに答えようと教師なし学習の技術を積み重ねながら、実世界での言語獲得ロボットの構成に関して一連の成果を生んできた。本講演では記号創発ロボティクスのこれまでの成果を概説するとともに、AGIとの関連から今後の展望を述べる。
講演者:金井良太(株式会社アラヤ)
概要:人間や動物において、脳から意識がどのようなメカニズムによって生じてくるのかという問題は、現代科学において答がでておらず「ハードプロブレム」とも呼ばれている。意識を科学で扱うことの難しい理由として、我々がモノを見たり聞いたりしたときに生じる主観的経験を直接的に科学的な研究手法で扱うことが難しいことがある。特に、意識によって実現される機能が何であるか客観的に評価することが困難である。一方、現在の人工知能研究が目指す1つの到達点である「汎用人工知能」においては、知能というものは機能的内容により定義されるため、知能システムにおける主観的経験の有無とは無関係であると見なされ、意識と人工知能の関係については歴史的に独立な研究対象と見なされがちであった。本講演では、神経科学的知見から意識の機能についての仮説として、感覚運動ループの関係性を学習した生成モデルによる反実仮想的な未来(例えば、自分の行動が環境からの入力情報をどのように変化させるかなど)の状態生成が関わっているという「意識の情報生成理論」を提案する。意識の機能を主観的な生成モデルによって過去や未来のシミュレーションを可能とし、現在の知覚内容(クオリア)さえ外界の情報処理の付随現象ではなく、主体的に生成された情報の構造であると議論し、この機能がまさに汎用性の高い知能の実現に深く関わっている可能性について論じる。
モデレータ:大森隆司(玉川大学工学部/脳科学研究科)
パネリスト:金井良太、谷口忠大、山川宏
講演者:山川宏(NPO法人WBAI代表/ドワンゴ)
概要:AGIが人類に対して大きな影響を与えうる可能性を踏まえれば、その開発がベターな方向に進むように促進する公益組織の存在意義は、時として大きなものとなりうるだろう。そこで私達NPO法人WBAIは「人類と調和した人工知能のある世界」をビジョンとして掲げ、全脳アーキテクチャ・アプローチよるオープンな共創がAGIのベターな開発であると考えその促進を進め、その活動を広げることで影響力を高めたいと考えている。AGIをベターなものとするために脳に学ぶその主な理由は、人間と同じように振る舞い思考するAGIをつくりやすこと、さらに脳のアーキテクチャー上の共同作業でAGIを多くの人々の共有物に誘導しうる点である。さらに神経科学と機械学習の発展により脳に学んでAGIを構築すること自体の技術的な有望性も高まっていることなどについて述べる。
講演者:松尾豊(NPO法人WBAI副代表/東京大学)
概要:TBD
講演者:坂井尚行(合同会社ハイロード・コンサルティング(会社設立準備中))
概要:近年、ビジネスにおいても特化型AIの事例が増えてきた。一部の企業でその理解が進みつつある。他方でAGI についても注目が集まってきている。しかしながら何の役に立つか、具体的な事例とそのインパクトは共有されるにいたっていない。ここではマーケティング/製品企画にどのようなインパクトがあるのか思考実験をおこなう。「仮説生成」を軸に、言語化されていないニーズを探索することについて議論する。この思考実験のフレームはマーケティングに限定されるものではない。研究、経営、政策など、仮説をたてる知的労働にインパクトを与えることになるだろう。
モデレータ:高橋恒一(NPO法人WBAI副代表/理研)
パネリスト:松尾豊、坂井尚行、山川宏
* プログラム委員長 山川宏
* 実行委員長 川村正春
* 司会 さかき漣
* 副実行委員長 生島高裕
* 登壇者係 山川宏
* 会場係 山本麻央
* 広報宣伝 山本麻央、他
* 賛助会員 山本麻央
* Doorkeeper 生島高裕
* タイムキーパー 中司 浩史
* 写真撮影 門前一馬
* ビデオ撮影 門前一馬
* ポスター制作 藤井烈尚
* ニコ生係 上野道彦
* 備品 上野道彦
* 会計 山本麻央
1990年東京工業大学大学院情報科学専攻修士課程修了。1993年東京大学大学院情報科学専攻博士課程修了。博士(理学)。同年電子技術総合研究所(2001年より産業技術総合研究所)入所。プログラミング言語、ソフトウエア工学の研究に従事。2005年より計算論的神経科学の研究に従事。
理化学研究所生命システム研究センターで研究室を主宰。慶應義塾大学SFC在学中に世界初の細胞シミュレーターE-Cellを開発し、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(HFSP)フェローとして米国留学などを経て現職。現在は脳型計算基盤ソフトウエアBriCAの開発や人工知能の生命科学研究への応用などにも従事し、AI社会論研究会の立ち上げにも参画。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任准教授、大阪大学生命機能研究科招聘准教授、ドワンゴ人工知能研究所客員研究員を兼務。博士(学術)。
1997年東京大学工学部電子情報工学科卒業。2002年同大学院博士課程修了。博士(工学)。同年より産業技術総合研究所研究員。2005年10月よりスタンフォード大学客員研究員。2007年10月より、東京大学大学院工学系研究科総合研究機構/知の構造化センター/技術経営戦略学専攻准教授。2002年人工知能学会論文賞、2007年 情報処理学会長尾真記念特別賞受賞。人工知能学会編集委員長、第1回ウェブ学会シンポジウム代表。専門は、Webマイニング、人工知能、ビッグデータ分析。
1987年3月東京理科大学理学部卒業。1992年東京大学で神経回路による強化学習モデル研究で工学博士取得。同年(株)富士通研究所入社後、概念学習、認知アーキテクチャ、教育ゲーム、将棋プロジェクト等の研究に従事。フレーム問題(人工知能分野では最大の基本問題)を脳の計算機能を参考とした機械学習により解決することを目指している。特に、認知アーキテクチャ、概念獲得、ニューロコンピューティング、意見集約技術など。
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人間の脳全体構造における知的情報処理をカバーできる全脳型 AI アーキテクチャを工学的に実現できれば、人間レベル、さらにそれ以上の人工知能が実現可能になります。これは人類社会に対して、莫大な富と利益をもたらすことが予見されます。例えば、検索や広告、自動翻訳や対話技術、自動運転やロボット、そして金融や経済、政治や社会など、幅広い分野に大きな影響を与えるでしょう。
私達は、この目的のためには、神経科学や認知科学等の知見を参考としながら、機能的に分化した脳の各器官をできるだけ単純な機械学習器として解釈し、それら機械学習器を統合したアーキテクチャを構築することが近道であると考えています。
従来において、こうした試みは容易ではないと考えられてきましたが、状況は変わりつつあります。すでに、神経科学分野での知見の蓄積と、計算機速度の向上を背景に、様々な粒度により脳全体の情報処理を再現/理解しようとする動きが欧米を中心に本格化しています。 また Deep Learning などの機械学習技術のブレークスルー、大脳皮質ベイジアンネット仮説などの計算論的神経科学の進展、クラウドなどの計算機環境が充実してきています。
こうした背景を踏まえるならば、全脳型 AI アーキテクチャの開発は世界的に早々に激化してくる可能性さえあります。 そこで私達は、2020年台前半までに最速で本技術を実現できるロードマップを意識しながら、この研究の裾野を広げていく必要があると考えています。 そしてこのためには、情報処理技術だけでなく、ある程度のレベルにおいて神経科学等の関連分野の知見を幅広く理解しながら、情熱をもってこの研究に挑む多くの研究者やエンジニアの参入が必要と考えています。
全脳アーキテクチャ勉強会は、人間のように柔軟汎用な人工知能の実現に興味のある研究者、脳に興味のあるエンジニア、関連分野(神経科学、認知科学等)の研究者間での交流を促進し、全脳アーキテクチャを実現するために発足されました。 2018年6月以降のイベント ⇒ https://wba-meetup.connpass.com 主催:全脳アーキテクチャ・イニシアティブ
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