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学生 | 無料 |
懇親会は【懇親会】第20回 全脳アーキテクチャ勉強会(※準備中) よりお申し込み下さい |
子供のころの記憶などの長期記憶は大脳皮質で保持されていますが、その長期記憶は海馬の働きによって作られます。海馬はいわばどの経験を保存するかを定める“記憶の司令塔“です。
これらの記憶は保管自体が目的ではなく、未来の行動決定に役立てる記憶という観点で、“経験と文脈"の関連性が記憶の取捨選択の鍵となると考えられます。また、海馬の神経回路は最も詳細に調べられている脳部位の一つであり、全脳アーキテクチャ実現のステップにおいて重要な手がかりを与えると考えられます。
今回は海馬の文脈表現に焦点を絞り、理化学研究所の藤澤先生に海馬での時間の神経表現に関する講演をお願いしました。海馬における文脈表現により、どのような記憶が大脳皮質に固定されるか、その原理を考える糸口を得るための勉強会になります。
時間 | 内容 | 講演者 |
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17:30 | 開場 | |
18:00 | 会場説明 | |
18:05 | 開会の挨拶 | 山川宏(全脳アーキテクチャ・イニシアティブ代表) |
18:10 | 海馬とエピソード記憶 ―脳は物語をいかに表現するか?― | 藤澤茂義(理化学研究所) |
19:00 | 休憩 | |
19:15 | 全脳における海馬の計算論 | 佐藤直行(公立はこだて未来大学) |
20:05 | 閉会の挨拶 | 佐藤直行(公立はこだて未来大学) |
20:10 | 終了 |
海馬は、自分たちが経験した出来事についての記憶である「エピソード記憶」の形成を司っている。海馬がどのような神経回路メカニズムによってエピソード記憶を形成しているのかは未だ解明されていないが、近年の神経生理学的研究により大きな進展が得られてきている。今回の講演では、経験した出来事の内容やその順序関係が、海馬においてどのように表現されているのかについて最新の知見を紹介する。
海馬の神経回路は詳細に調べられており、その計算論も連想記憶回路を中心として定式化されてきた。一方、大脳皮質への長期記憶固定を考える際には、海馬単独のみならず、海馬とともに活動する大脳皮質、基底核、扁桃体などとの相互作用系における“記憶の価値づけ“のプロセスがどのように実装されているかを知ることが、全脳アーキテクチャ実現にとって重要である。本講演では海馬の計算論を軸として、他の脳部位との相互作用に関する知見を概説し、全脳における海馬の立ち位置について議論したい。
1990年東京工業大学大学院情報科学専攻修士課程修了。1993年東京大学大学院情報科学専攻博士課程修了。博士(理学)。同年電子技術総合研究所(2001年より産業技術総合研究所)入所。プログラミング言語、ソフトウエア工学の研究に従事。2005年より計算論的神経科学の研究に従事。
1987年3月東京理科大学理学部卒業。1992年東京大学で神経回路による強化学習モデル研究で工学博士取得。同年(株)富士通研究所入社後、概念学習、認知アーキテクチャ、教育ゲーム、将棋プロジェクト等の研究に従事。フレーム問題(人工知能分野では最大の基本問題)を脳の計算機能を参考とした機械学習により解決することを目指している。
東京大学で、ウェブと人工知能、ビジネスモデルの研究を行っています。 ウェブの意味的な処理を人工知能を使って高度化すること、人工知能のブレークスルーをウェブデータを通じて検証することを目指しています。
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人間の脳全体構造における知的情報処理をカバーできる全脳型 AI アーキテクチャを工学的に実現できれば、人間レベル、さらにそれ以上の人工知能が実現可能になります。これは人類社会に対して、莫大な富と利益をもたらすことが予見されます。例えば、検索や広告、自動翻訳や対話技術、自動運転やロボット、そして金融や経済、政治や社会など、幅広い分野に大きな影響を与えるでしょう。
私達は、この目的のためには、神経科学や認知科学等の知見を参考としながら、機能的に分化した脳の各器官をできるだけ単純な機械学習器として解釈し、それら機械学習器を統合したアーキテクチャを構築することが近道であると考えています。
従来において、こうした試みは容易ではないと考えられてきましたが、状況は変わりつつあります。すでに、神経科学分野での知見の蓄積と、計算機速度の向上を背景に、様々な粒度により脳全体の情報処理を再現/理解しようとする動きが欧米を中心に本格化しています。 また Deep Learning などの機械学習技術のブレークスルー、大脳皮質ベイジアンネット仮説などの計算論的神経科学の進展、クラウドなどの計算機環境が充実してきています。
こうした背景を踏まえるならば、全脳型 AI アーキテクチャの開発は世界的に早々に激化してくる可能性さえあります。 そこで私達は、2020年台前半までに最速で本技術を実現できるロードマップを意識しながら、この研究の裾野を広げていく必要があると考えています。 そしてこのためには、情報処理技術だけでなく、ある程度のレベルにおいて神経科学等の関連分野の知見を幅広く理解しながら、情熱をもってこの研究に挑む多くの研究者やエンジニアの参入が必要と考えています。
全脳アーキテクチャ勉強会は、人間のように柔軟汎用な人工知能の実現に興味のある研究者、脳に興味のあるエンジニア、関連分野(神経科学、認知科学等)の研究者間での交流を促進し、全脳アーキテクチャを実現するために発足されました。 2018年6月以降のイベント ⇒ https://wba-meetup.connpass.com 主催:全脳アーキテクチャ・イニシアティブ
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