東京都千代田区丸の内 1-9-2 グラントウキョウサウスタワー 41F
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言語機能が脳内で局在化されていることは脳科学の黎明期から分かっていました。ブローカが発話に関与する脳内領域が左半球前頭葉弁蓋部に存在することを発表したのは19世紀中庸です。カハールが細胞染色によって脳が神経細胞からできていることを突き止める以前の話です。このように言語は脳の機能局在説を支持する強い根拠であり、全脳アーキテクチャ仮説を支持する証拠を提供していると言えます。一方で、機能的脳画像研究は単純な課題遂行時にも多くの脳領域が関与することを示してきました。前回全脳アーキテクチャ勉強会での西本先生の講演では脳の三次元全体の血流量の変化から、我々の心の動きを予測が可能なことが示されています。
脳の機能を考える上で、言語を題材にすることは、動物実験では得られない知見を得ることができ、知的情報処理の複雑さを解明するたために必要なことであると考えられます。今回は京都医科大学の近藤先生に脳内神経線維連絡と失語症と筑波大学宇野先生に発達性読み書き障害に関する講演をお願いしました。言葉とその病理から見た脳の構造とその変容によって言語機能がどのように変化するのかを考える勉強会になります。脳の領野では単純な機能局在が成立しないことはもはや常識ですが、それではどのような視点で脳にアプローチすれば良いのか、考える糸口と材料を得る勉強会になるでしょう。
※ 発達性ディスレクシアは失語症ではないためイベントのタイトルを「失語症をめぐって」から「失語症と発達性ディスレクシア」に変更しました
失語症は、内言語の障害による症候群である。近年、脳画像解析の進歩に伴い、言語に関わる神経経路の理解が進んでいる。本講演では、MRIによる脳画像解析法の一手段である fiber tracking (tractography) による失語症の検討をご紹介し、併せて言語関連経路について報告をいくつかご説明することにより、失語症の理解に関する最近の流れを概観する。
障害種の中でもっとも出現頻度の高く、トムクルーズやスピルバーグ監督がそうであることで知られている発達性ディスレクシア(developmental dyslexia)について、用語の使い方、定義、推定される生物学的原因、大脳構造の異常部位、大脳機能低下部位、背景となる認知障害(音韻(認識)、自動化、視知覚や視覚記憶などを含む視覚認知など)、文字言語体系の違いによる関与する認知能力の種類や貢献度の違い、時間に余裕があれば科学的根拠に基づいた効果的な訓練法などについて紹介する。
1990年東京工業大学大学院情報科学専攻修士課程修了。1993年東京大学大学院情報科学専攻博士課程修了。博士(理学)。同年電子技術総合研究所(2001年より産業技術総合研究所)入所。プログラミング言語、ソフトウエア工学の研究に従事。2005年より計算論的神経科学の研究に従事。
1987年3月東京理科大学理学部卒業。1992年東京大学で神経回路による強化学習モデル研究で工学博士取得。同年(株)富士通研究所入社後、概念学習、認知アーキテクチャ、教育ゲーム、将棋プロジェクト等の研究に従事。フレーム問題(人工知能分野では最大の基本問題)を脳の計算機能を参考とした機械学習により解決することを目指している。
東京大学で、ウェブと人工知能、ビジネスモデルの研究を行っています。 ウェブの意味的な処理を人工知能を使って高度化すること、人工知能のブレークスルーをウェブデータを通じて検証することを目指しています。
全脳アーキテクチャ・イニシアティブでは、賛助会員を募集しております。賛助会員に登録いただきますと、当サイトに貴団体ロゴとホームページへのリンク掲載や、各種イベントの優先参加など、さまざまな特典がございます。詳しくは、こちらをご覧ください。
人間の脳全体構造における知的情報処理をカバーできる全脳型 AI アーキテクチャを工学的に実現できれば、人間レベル、さらにそれ以上の人工知能が実現可能になります。これは人類社会に対して、莫大な富と利益をもたらすことが予見されます。例えば、検索や広告、自動翻訳や対話技術、自動運転やロボット、そして金融や経済、政治や社会など、幅広い分野に大きな影響を与えるでしょう。
私達は、この目的のためには、神経科学や認知科学等の知見を参考としながら、機能的に分化した脳の各器官をできるだけ単純な機械学習器として解釈し、それら機械学習器を統合したアーキテクチャを構築することが近道であると考えています。
従来において、こうした試みは容易ではないと考えられてきましたが、状況は変わりつつあります。すでに、神経科学分野での知見の蓄積と、計算機速度の向上を背景に、様々な粒度により脳全体の情報処理を再現/理解しようとする動きが欧米を中心に本格化しています。 また Deep Learning などの機械学習技術のブレークスルー、大脳皮質ベイジアンネット仮説などの計算論的神経科学の進展、クラウドなどの計算機環境が充実してきています。
こうした背景を踏まえるならば、全脳型 AI アーキテクチャの開発は世界的に早々に激化してくる可能性さえあります。 そこで私達は、2020年台前半までに最速で本技術を実現できるロードマップを意識しながら、この研究の裾野を広げていく必要があると考えています。 そしてこのためには、情報処理技術だけでなく、ある程度のレベルにおいて神経科学等の関連分野の知見を幅広く理解しながら、情熱をもってこの研究に挑む多くの研究者やエンジニアの参入が必要と考えています。
全脳アーキテクチャ勉強会は、人間のように柔軟汎用な人工知能の実現に興味のある研究者、脳に興味のあるエンジニア、関連分野(神経科学、認知科学等)の研究者間での交流を促進し、全脳アーキテクチャを実現するために発足されました。 2018年6月以降のイベント ⇒ https://wba-meetup.connpass.com 主催:全脳アーキテクチャ・イニシアティブ
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