ドワンゴ 銀座松竹スクエア 13F セミナールーム(108人)
東京都中央区築地1-13-1
脳全体のアーキテクチャに学び汎用人工知能(AGI)の実現を目指す,全脳アーキテクチャ・アプローチにおいても,大脳新皮質のモデル化は最重要な要素となります. この際に,最速でAGIを実現するために,より粗いレベルでのモデルを優先的に扱おうとしています.よって近年進展の著しい人工ニューラルネットワーク(ANN)において,より新皮質の機能に近いモデルをウォッチしてきていました.
最近(本年5月)になり,ANNとしては新皮質モデルとしての性質をかなりよく反映したDeep Predictive Coding Networks (Deep PredNet)というモデルが発表されました.これはWBAアプローチにおける標準的な新皮質モデルとして採用しうる候補となりうるものであり,なおかつ,分散同期システムとしての動作が可能なため,将来的な大規模化にも期待が持てます.
そこで今回は,緊急にPredNetモデルを理解し実装するための研究会を12日に実施し,そこで次週19日に向けて,個人もしくはグループにてハッカソンを行い,その成果を持ち寄ろうという研究者/エンジニア向けの「研究ハッカソン」を企画しました.
主催: NPO法人全脳アーキテクチャ・イニシアティブ
オーガナイザー: 山川宏,中村政義,川崎邦将(ドワンゴ人工知能研究所)
ハーバード大学の計算論的生物学者であるDavid Cox ( http://www.coxlab.org/ )のプロジェクトからうまれた,新皮質の局所回路を定性的によく反映していると思われるANNモデルです.このプロジェクトは米国のIARPAという組織から $28million を獲得して脳型人工知能を目指しており,第13回全脳アーキテクチャ勉強会でコネクトームの発表を行った水谷氏も所属するプロジェクトです.
PredNetに関わる論文は.現在のところ二本公開されています.
PredNetモデルは,新皮質における一つの大きな理論仮説「Predictive Coding」に立脚していますが,そこさえ認めれば生物学的な妥当性は私の見る限り高いものと思えます.
さらに,このモデルの利点と思われる特徴に以下が有ります.
現状において新皮質の局所神経回路に近くかつ予測課題を実行できるANNモデルである,PredNetモデルについての理解を深め,動作可能な実装を作成し,できれば,そこからLIS等を用いた発展的な研究開発に進みたい.
PredNetモデルの開発状況次第で変更があるかもしれないが,現状では以下の様な予定を想定している.
参加者数に応じて会場を確保し,全日もしくは午後に行います.
最後に,成果物を3〜5分程度で発表頂く予定です.
ところでDeep PredNet自体のソースは公開されていません.このため,つい先週から,ドワンゴ人工知能研究所のインターン生である川崎邦将(M2)さんが,独力で論文を見ながら実装し,OPENにしようとしている最中です.
できればハッカソン当日はPredNetが動いている状態で臨みたいですが,この加速する世界においては,万全を期してから研究ハッカソンを企画するのは遅すぎるし,時間が惜しすぎる気がしています!
もちろん川崎さんは現在奮闘中ですが,もし,12日以前の準備段階からでも,いろいろな形でお助け頂ける方がいらっしゃると大変に助かります.
是非とも 「主催者にお問い合わせ」からご連絡下さい.
以上,皆様の,ご参加/協力をお待ちしております.
全脳アーキテクチャ勉強会は、人間のように柔軟汎用な人工知能の実現に興味のある研究者、脳に興味のあるエンジニア、関連分野(神経科学、認知科学等)の研究者間での交流を促進し、全脳アーキテクチャを実現するために発足されました。 2018年6月以降のイベント ⇒ https://wba-meetup.connpass.com 主催:全脳アーキテクチャ・イニシアティブ
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